江戸時代から続く日本橋の「べったら市」で有名な「べったら漬け」とは、浅く塩漬けした大根を、米麹の床に本漬けにした甘い漬け物で、東京特産の漬け物の代表格。コチトラ江戸っ子…ではないけど、毎日、しょっぱい漬け物ばかり食べ続けるのにも正直飽きてきたところだったので、少し目先を変えて、べったら漬けを作ってみた。糀床に甘酒のみを使うと、ほんのり甘い上品な味になるらしいのだが、とにかく甘くしたかったので、甘酒に砂糖とみりんを投入してこれでもかというくらい甘い糀床を作って本漬けした。その割には、さほど甘すぎず、ちょうど良い甘さの非常に美味しいべったら漬けが完成した。
材料
大根・・・正味4kg
粗塩・・・大根の重さの6%
糀床・・・米糀200gと餅米1合で作った甘酒
砂糖100g・みりん1カップ
赤唐辛子5~6本・昆布20~30cm
大根を下漬けする
①大根を半分か3つくらいに切り、縦方向に皮をむく。大根が太い場合、半割りか4つ割りくらいにする。
②大根の正味量の6%の粗塩を用意し、3分の2を一度漬け用、3分の1を二度漬け用に分けておく。
③一度漬け用の粗塩を大根にまぶし、大根の倍くらいの重さの重石を乗せて、5日間漬ける。
④5日目に一度漬けで出た水を捨て、二度漬け用の粗塩を大根にまぶして重石を乗せ、さらに2日間漬ける。
※作った後になってから調べて分かったのですが、半割りにした大根は、切り口を横にして並べると、隙間無くきっちりと樽に詰めることが出来るので、水が早く上がります。気付くのがちと遅かったので、写真はそのようになっていませんが参考まで。
米糀と餅米で甘酒を作る
甘酒の作り方のページを参照して、糀床の素になる甘酒を作る。本当は糀のみを使って、「タッパー等で、60℃の湯を、糀がしっとりする程度掛けて蓋をし、コタツの中にひと晩置いて糀を起こす」という方法で良いのだが、糀は値段が高いので、今回は甘酒を作って糀床の分量を水増しすることにした。多めに作れば、甘酒も飲めて一石二鳥。
(注)甘酒を漬け物の糀床として使用する場合は、糀の発酵作用を利用するので、火入れ(発酵を止める作業)はしません。
本漬けする
①甘酒を作っている時間を利用して、大根をたっぷりの水に2時間くらい漬けて塩気を少し抜き、水気を切って半日陰干しする。
②甘酒に砂糖とみりんを加えて混ぜ合わせ、糀床を作る。
③漬け樽の底に糀床を薄く敷いて大根を隙間無くきっちりと並べ、赤唐辛子・昆布を散らして、糀床をまぶす。最上段は糀床をたっぷり乗せる。中蓋をして、大根が浮くのを押さえる程度の軽い重石を乗せて漬け込む。
※半割りにした大根は、切り口を横にして並べると、隙間無くきっちりと樽に詰めることが出来るので、水が早く上がります。(気付くのが遅かったので、写真はそのようになっていません。)
④本漬けして5~6日頃から食べ始め、1ヶ月くらいで食べ切るようにする。冬場には台所の室温が氷点下になる日も珍しくない当家では心配ないのだが、屋内が暖かい家の場合は発酵が進んで酸味が出るので、冷蔵庫で保存すると良い。
完成
本漬け後も、まだ出るの?っていうくらい水が上がってくるが、上がった水は捨てない。あくまで私の意見だが、糀の米粒を洗い流したりしたら、見た目が台無しって感じがするので、糀床は軽く手で拭う程度にする。