餅つきは正月前の一大イベントで、我が家では毎年12月30日に餅を搗く。「九は苦につながって縁起が悪いから餅つきしちゃだめだって昔から言うんだ」と迷信深い母が頑強に嫌がって、29日はどんなに穏やかな日並みでも餅つきをしない。ひと臼にもち米3升で、弟と途中で交代しながら計3回(9升)搗くと、2人共もうクタクタ。たいてい大晦日は、筋肉痛になっている。
もち米を蒸かす
①もち米は前日に研いでひと晩水に浸けておく。
②カマドにマキをくべてグラグラと湯を沸騰させた釜に、セイロを乗せてもち米を蒸かす。ひと臼分のもち米は約3升。食べてみて芯がなく美味しい状態になれば炊き上がり。
③冬場で臼が冷え切っているので、もち米を蒸かしている間、熱湯を張って臼を暖めておく。
餅を搗く
①蒸けあがったもち米を臼に入れ、まず最初に「こづき(小搗き)」を行う。もち米が熱いうちに臼の回りをぐるぐる回りながら杵の先に体重をかけてもち米を押し潰していく。素早く且つ、しつこく念入りに行うのがよい。
②杵を高く振り上げてペッタンペッタン搗く。取り手は外側から中へと、うまく搗けていない部分を真ん中にまとめるようにして餅を反し、搗き手は常に餅の真ん中に杵を振り下ろすようにする。搗き始めの餅は非常に熱いので、取り手は熱対策に厚手のゴム手袋をしていると餅を反しやすい。手水はあまり付けないに越したことはないが、あまり神経質になって手水を嫌う必要はない。搗き手は時々杵の先にバケツで水を付けると餅が張り付かない。
餅をのす
餅を丸めたり伸したりするのが絶望的に下手な母がどこからか仕入れて来た裏技。米の空き袋に餅を入れてそのまま麺棒で伸す。けっこう力が要るが餅取り粉が要らずまあまあうまく伸せる。袋の隅は空気が抜けるようにあらかじめ切っておく。
あんころ餅・安倍川餅
搗きたての餅を適当な大きさにちぎって餡子をからませると「あんころ餅」で、砂糖を混ぜたきなこをまぶすと「安倍川餅」。餅搗きの日は必ずこれが昼飯。
2018年の餅つき&伸しと切り
餅つき自体に関しては、上記の2013年当時の写真や記事と全く同じ作業内容ですが、ここ2~3年、そば打ちに凝ってしまったせいで、餅だろうと何だろうと、麺棒で生地をきれいに四角く平らに伸さなければ気が済まないという症状?を発症し、餅の伸し方が以前とは大きく変わりました。まあ、餅取り粉を振って麺棒で伸すというのが本来のやり方なので、単に裏技から正攻法に戻ったというだけなんですが。
①伸し板に餅が貼付かないように、板の上と餅の表面に餅取り粉をたっぷり振り、麺棒を使って厚みが均一で、なるべく四角になるように伸す。
②餅を搗いた翌日(我が家では餅つきは30日が恒例なので大晦日が翌日)の昼頃には、必ず餅を切るようにする。餅が固くなりすぎると包丁の歯(刃)が立たなくなって大苦戦することになる。
③餅の表面に餅取り粉がたくさんついたままだと、焼いた時に餅取り粉が変に焦げ臭くなるので、餅を切る前に出来るだけ粉を払い落としておく。忘れると後々粉を落とすのが、けっこう面倒臭くなる。(今年はうっかり忘れてしまったので、備忘録として敢えて記しておきます。)
④餅が同じ大きさになるように、定規と裁縫用のルレットを使って切り目を下書きする。6×8㎝というサイズが、我が家で使っている「白子のり」の、おにぎり・おもち用の焼のりを巻いた時にちょうど良いベストサイズ。
⑤後は下書きの線に沿って包丁で切っていけば、きれいに同じサイズに切り揃うという寸法です。
⑥細長い耳の部分は小さく刻んでおいて、油で揚げて「揚げ餅」にして食べるようにする。