野山や土手、道端や空き地など至る所に、これでもかというほど群生している。草全体に独特の香りがあり、春先の若葉は草もちの材料として知られ、当地ではモチ草と呼んだ方が通りが良い。若葉や若芽は天ぷらにしても美味しい。
ヨモギの主成分のタンニンには消炎作用や止血の収斂作用があり、虫刺されやちょっとした切り傷の時には生の葉を揉んで貼っておくと効果がある。その他、生葉を浴剤に利用すると神経痛や湿疹・肌荒れ・保温などに効果があるとか。なにかと利用価値の高い野草ではあるが、いくら刈り取っても所構わず地下茎でぐんぐん繁殖して行くので、農家にとっては憎っくき強害草。
ヨモギの天ぷら
春先のまだ茎が伸びない若葉と若芽を摘んで天ぷらにすると、苦味がマイルドになって非常に美味しい。
草もちの作り方
材料(約20個分)
ヨモギの若葉・・・400g
米粉・・・500g(上新粉400g・白玉粉100g)
熱湯・・・400ccくらい
ヨモギを下ごしらえする
①摘んだヨモギはゴミを取り除いてよく水洗いする。
②大鍋で沸騰させて塩ひとつまみを入れた湯にヨモギを入れ、1~2分茹でたらすぐに冷水に取ってさらす。春先の新芽はほとんどアクがないので重曹は必要ない(アクを気にしすぎると肝心のヨモギの風味がなくなってしまいます)。大きく育ってしまったヨモギの場合は、茹でる際に重曹を入れてアク抜きする。
③堅く水を絞って、よく切れる包丁でトントンとたたいて出来るだけ細かく刻む。
④すり鉢でさらに細かくすりつぶす(昔は臼に入れて杵でゴリゴリすり潰した)。
③④の作業は、少量ずつ何回かに分けてやるとよい。
米の粉を蒸し上げる
⑤分量の上新粉と白玉粉を混ぜ合わせ、熱湯を少しずつ加えながらよく練り合わせる。
⑥練り合わせた米の粉をひと握りくらいにちぎって、中まで熱が通りやすいように平たくする。
⑦蒸し器に濡れ布巾を敷き、生地を並べて10分~20分間、芯が残らないように蒸し上げる。
ヨモギと餅を練り合わせる
⑧ヤケドしない程度に冷ました餅に、刻んですり潰したヨモギを加えて、こね鉢でよく練り合わせる。
⑨ヨモギが全体にむらなく回ってきれいな緑色になったら出来上がり。取り分けて丸めてそれらしい形にする。
⑩キナコやアンコを付けて食べる。少々面倒だけどアンコを中に入れて包むのも良い。