そば打ちの脱穀・選別の方法

乾燥

収穫したそばは、ひもで束ねてブルーシートの上に並べ、雨の日はシートでくるんで濡らさないようにして地干しにした。初めは横にして寝かせていたが、どうしても下側が乾きにくいので、途中から3束くらいずつ互いに立て掛けて乾燥させてみた。栽培途中で倒伏した関係で、茎がひん曲がっている物が多いので、最後の方は束というより玉みたいにグチャグチャになってきた。丸10日間かけ、茎・葉がカラカラになったのを見計らって完了。

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そばを束ねてブルーシートの上に広げて地干し

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束を互いに立て掛けて乾燥させた

脱穀

乾燥させたそばの束の穂の部分を、木の棒でひたすらバンバン叩くという超原始的な方法で脱穀。初めに脱穀した藁束をシートに寝かせて台にして、次の束からはその上に穂を乗せて叩くようにすると、地面を気にせずに思い切りぶっ叩けるので上手くいく。叩いて脱穀した実には、茎や葉などのゴミが半分くらい混ざっているので、まずは目の粗い篩で、そばの実を下に篩い落とし、篩の上に残った大きいゴミを取り除く。細かい茎や葉は次の「唐箕」の作業で除去する。

すっかり子猫のいい遊び場になっている

そばの束を棒でバンバン叩いて実を脱穀する

ひたすら叩いて実を穂から外す

脱穀直後・大きなゴミは目の粗い篩にかけて除去する

唐箕は扇風機で代用

棒で叩き落として脱穀したそばの実のゴミは、「唐箕」を使って風で吹き飛ばして除去する。…のだが、うちには唐箕なんてないし、さて、どうしよう? 新聞の折込みで入って来たJAのチラシにスチール製の手動式の唐箕が29,800円で出てたけど、アレを買うしかないのかなあ? 電動式は49,800円か…、高けえそばになっちまうなあ…などと考えながら、唐箕について完全にノープランで脱穀の作業をしていたところ、ポク・ポク・ポク・ポク・チーンと、突然、一休さんバリに閃いた。そういえば昔使ってた扇風機、もし捨ててなければアレは使えそうだ。両親に脱穀を任せ、物置の奥を引っ掻き回したところ、「動くうちは不要品でも処分しない」という当家の家風(てか、私の習性ですが)がここで活きてきて、例のブツが出てきた。1982年製を示すシールから、24年物ということもついでに判明した。台所に積んであった段ボール箱を適当にハメ合わせてみたら、キッコーマンしょうゆの箱がビンゴ。段ボールを切り貼りして工作し、唐箕らしい体裁に仕上げた。名付けて「スーパー唐箕くんVer.1.02」。Ver.1.01?からの改良点は投入口を取り付けた点と、仕切りを兼ねて段ボールの受け皿を追加した点…って言っても、トータルで物の30分くらいで工作しただけですが。この「スーパー唐箕くん」の凄さは、24年物のSANYO製の扇風機の驚くべき機能にある。なんとこの扇風機、羽の前方の送風口に二重にフィンが付いていて、平行な風を送り出すことが出来る。それと扇風機なので当然、強・中・弱と、風量も調節できる。唐箕の工作が完了した頃、両親の脱穀作業もちょうど終わったので、早速、「スーパー唐箕くん」を運転開始。思った通りの高性能ぶりを発揮した。後日、私の農業顧問?の友野園さんからも、ナイスアイデアと大絶賛された会心のマシン。

段ボール箱製の本体と三洋の古い扇風機

段ボール箱製の本体と三洋の古い扇風機

本体に扇風機をセット

斜め後ろから

唐箕でゴミを除去する

唐箕とは、脱穀した穀物を上から落として横から風を当て、軽い茎や葉などのゴミを吹き飛ばし、重い実だけ下に落とすという単純な仕組みの、風の力でゴミと実を選別する道具。つまり、扇風機に段ボール箱を被せただけの「スーパー唐箕くん」の構造は、まさしく「唐箕」そのものというわけ。実際、「スーパー唐箕くん」の性能は抜群で、扇風機の威力にモノを言わせて、あっという間に選別作業が完了してしまった。受け皿の仕切りが少し高すぎたのか、内部に若干ゴミが落ちたが、その部分は手でうまく取り除いて、再び唐箕にかけた。脱穀したそばの実から、体積にして約4分の1ほどのゴミを取り除くことが出来た。

脱穀したそばの実

脱穀したそばの実

細かい茎や葉がいっぱい混ざっている

スーパー唐箕くん運転開始

茎や葉などのゴミが見事に吹き飛んでいる

手前には若干ゴミが混じっている

上の段ボール箱にして約1箱分のゴミが出た

選別したそばの実

選別したそばの実

念のために、もう一度、すべての実を唐箕にかけてみたが、ゴミはほんの少ししか出なかった。

念のために、もう一度、すべての実を唐箕にかけてみたが、ゴミはほんの少ししか出なかった。

軽いゴミを吹き飛ばすという原理上、唐箕では小石や土の固まりその他の重いゴミは除去できないので、少しずつ篩にかけて取り除く。後日、石臼で製粉する前に、もう一度シラミ潰しに探して石抜き作業をするが、この時点で出来るだけ探し出して取り除いておくと、あとで楽。

更に篩(ふるい)をかけて石や土を除去する

後々のことも考えて拾えるゴミはなるべく探し出す

ゴザに広げて乾燥させてから紙の穀類袋に入れる

収穫結果(2016年)

蒔いた量を控えておかなかったので、はっきりとは覚えていないのだが、確か3リットルか4リットルだったはず。4リットルだったとすると、播種量は約2,400グラムで、収穫して脱穀・選別したそばの実は約15,500グラム。この15.5キロという収穫量が播種量に対して多いのか少ないのかに関しては、正直さっぱり分からない。ともあれ、家で食べるのには持て余すほど十二分な量は収穫できた。

 

初めて自家栽培したそばを打つ

最初のうちはブチブチに切れた繋がらないそばしか打てなかったが、回数を重ねる度に着実にスキルアップを果たし、どうやらまあまあの感じのそばを打てるようになってきた。自家栽培のそばの実を石臼挽きした挽き立てのそば粉を使い、打ち立て、茹で立ての「3立て」の、しかも新そばが、マズかろうはずもなく、自分で言うのもアレだけど、正直けっこうイケル。下の写真は、そば粉300グラム・小麦粉75グラムで打った二八そばで、大人3人前として充分な量。今にして思えば、葛生の仙波そばに一時期通い詰めていたことが、自分でそばを栽培して打ってみようという、ささやかな野望を抱いたキッカケにもなったわけです。うどん打ちは比較的簡単なので以前から打てたのだが、これでようやくそば打ちも何とかマスターできそう。それにしても、そば・うどん・焼きそば・ラーメンと、麺類に異常に執着してしまう私の嗜好は、一部の麺好きから「日本一の麺処」とも評される両毛地域の住人のDNAに深く刻み込まれている宿業なのだろうか?

※下の写真の出来上がったそばの色が変に赤味がかっているのは、夕陽が屋内に射しこんで光線が「色かぶり」して写っているためで、そばの色ではありません。

 

切り終えたそば

切り終えたそば

そば・長ねぎ・大根おろし・すべて自家栽培

そば・長ねぎ・大根おろし・すべて自家栽培

挽きぐるみの全層粉は香りが強くて非常に美味