みなさん、コカ・コーラは好きだろうか。誰しも一度は飲んだことがあるだろう。
レシピが明かされていないコカ・コーラ
コカ・コーラのレシピは長年明かされておらず、そのため「この世で2名しかレシピを知らない」、「中毒性のある物質が含まれているから明かせない」などさまざまな都市伝説が生まれてきた。「コカ・コーラが生まれた当時は禁酒令が出ており、調合時にアルコールを用いるためコカ・コーラのレシピをシークレット扱いにしていた」という現実的な説もある。
仮に、本当に2人しかレシピを知らないとしてその2人がなんらかの事故に遭ってしまったら、地球上でコカ・コーラを作れる人はいなくなってしまう。
そうならないためにも、いつでもコカ・コーラが飲めるようコカ・コーラを自作してみることにした。
長い前置きがありましたが、要はコカ・コーラを再現してみるって記事です。
3つの「俺コーラ」を作る
今回3パターンのレシピで自作コカ・コーラ、いわゆる「俺コーラ」を作ってみる。まずは味の分析。爽やかな清涼感が特徴のコカ・コーラだが、その味はなんとも形容しがたい。柑橘系の爽やかさがあり、どこかスパイスのような薬っぽい匂いもする。そこで各種スパイスと柑橘系で攻めてみることにしよう。ポイントはあの黒い色。原材料を見ると「カラメル色素」がどうやらあの黒い色を出しているようだ。
俺コーラ1「スパイスたっぷりタイプ」
<材料>
グラニュー糖、生姜、レモン、シナモン、ナツメグ、バニラビーンズ、クローブ
<作り方>
(1)グラニュー糖をレンジにかけ、カラメルを作る
(2)カラメルにすべての材料をぶち込む
(3)シロップの完成
「スパイスたっぷりタイプ」のポイントはなんといってもカラメル。コーラの甘さはもちろん、あの黒い色を再現する。生姜を入れることでスパイシーさも期待する。
俺コーラ2「和風黒蜜タイプ」
<材料>
黒蜜、レモン、シナモン、バニラビーンズ、クローブ
<作り方>
(1)レモンを輪切りにする
(2)材料に黒蜜をかけ、鍋で煮る
(3)シロップの完成
「和風黒蜜タイプ」のポイントは大胆にも黒蜜を使うところ。甘さ、黒い色がこれで再現できる。黒蜜特有のダサい匂いはクローブを多めに入れることで消えるのではなかろうか。
俺コーラ3「フルーティー紅茶タイプ」
<材料>
紅茶パック、グラニュー糖、生姜、レモン、オレンジ、シナモン、バニラビーンズ
<作り方>
(1)材料にグラニュー糖をぶっかける
(2)そこに紅茶を入れて煮る
(3)シロップの完成
「フルーティー紅茶タイプ」のポイントは紅茶(アッサム)を使うところ。色がこれで再現できる。また、オレンジを加えることにより柑橘系の爽やかさがアップすることを期待したい。というかこれはコーラではなくフルーツ紅茶だと思う。
出来上がったのは不吉な俺コーラの原液
じっくり煮込んで冷やしたら原液の完成。見るからにヤバい感じだが匂いはどれもコカ・コーラのそれである。これを炭酸水で割れば俺コーラの完成というわけ。
他人に飲ませる
幾度となく味を確かめるうちに自分の舌がバカになってしまったのと、手塩にかけて作ったため愛が偏り正確な評価ができるか自信がないため他者に評価してもらおうと思う。
まずは普通のコカ・コーラを飲み、その味を再確認してもらう。
今井「ああ、やっぱりコカ・コーラは美味しいですね〜さわやかオールウェイズって感じです」
俺コーラ1「スパイスたっぷりタイプ」
まずはカラメルにスパイスと生姜をたっぷり入れた「スパイスたっぷりタイプ」を飲んでもらおう。
「見た目はコーラから程遠いですね……匂いはかなりコーラっぽいですが……ゴクリ」
「あ! 美味しい! 美味しいですこれ! ただ、コーラの美味しさというよりは新しい美味しいジュースって感じですね。ジンジャーが効いてます。ただしカラメルのベタベタとした甘さがけっこう強いのが気になります。やはりコーラと呼ぶには程遠いですね」
褒めてからけなすのは人を伸ばす際に使う常套手段ではあるが、ここまであからさまだとさすがに傷つく。コーラの甘さはカラメルの甘さではないのか……?
俺コーラ2「和風黒蜜タイプ」
続いては黒蜜がどちらに転ぶか読めない黒蜜タイプ。
「うっ……匂いからしてこれはもう思いきり黒蜜……」
今井「あ! これはダメです! 飲み物としてそもそもマズイです。コーラがどうのとかいう話じゃないですね。黒蜜感がすごくて、もはや信玄餅をドリンクにした感じです!」
一所懸命作ったのに「コーラがどうのとかいう話じゃない」とまで言われ傷ついたが、コーラを作る際に黒蜜を使うのは避けたほうがよさそうだ。
俺コーラ3「フルーティー紅茶タイプ」
最後は紅茶にオレンジやレモンを投入したやつ。これはもう明らかに「フルーツ紅茶」になるだろう。美味しいに決まってる。コカ・コーラを再現する企画ではあるが、いつの間にか「美味しい!」と文句なしに言わせることがこの記事の目的になっている。
「……これなんですか? なんか……すごい濁ってますけど……」
汚物を見るような目で一所懸命作った俺コーラを怪しむ。もう傷つく。
結論:コカ・コーラは作れない
「ああ〜やっぱりコカ・コーラは偉大ですね〜」
今回、彼はどの俺コーラもコカ・コーラと認めてはくれなかった。コカ・コーラを再現するため思考錯誤したが、匂いまでは再現できたがその味を再現することは不可能であった。やはりコカ・コーラは奇跡のドリンクなのかもしれない。
みなさんもぜひ俺コーラを作ってみてください。私は傷つくので二度とやりません。